行政書士の資格を取得した後って本当に役に立つの?
ネットの情報を見る限りは将来性が感じられない気がするけど・・・実際にどうなんだろう。
行政書士の試験を受けるべきか検討した時や、試験勉強時の気分転換として、行政書士の現状を調べたときに、マイナスな情報を目にしてしまうことはありますよね。
せっかく行政書士の資格を苦労して取得しようと頑張っているのに、「将来性がない」なんて書かれている記事やサイトを見ると、多大な時間や費用をかけてまで勉強すべきかの迷いが生じますし、身にも入りません。
行政書士の資格を取得し、活かしている筆者から言えるのは、
- 就職や転職時、実生活にも役立つ
- 世間からの社会的な評価も高い
- 独立・開業し、工夫を重ねることにより、十分に成功できる
が可能な取得する意義が大きい資格だということです。
そこで今回は、筆者が経験したことや見聞きしたことを中心に、行政書士の資格を取得する意義がある理由について紹介していきます。
行政書士資格の有無は転職に影響する
行政書士の資格を持っているかの有無は、行政書士の業務内容と全く異なる職種(例えば、飲食店の調理スタッフなど)を除けば、転職に有利に影響します。履歴書の資格欄が空欄ではなくなる、といった単純な理由ではありません。中でも、
- 行政書士事務所や、税理士事務所を始め、法律事務所や司法書士事務所・特許事務所などの專門サービス業
- 企業の法務部や総務部
に就職を希望する場合は、高確率で一定の評価がされます。
なぜなら行政書士は、行政手続きなど様々な手続きに精通、かつ法律上の知識も有しているからです。
企業からすれば、わざわざ外部の専門家に相談したりや手続きを依頼する手間が省けます。
法律事務所などの専門事務所においても、一定の法律知識を有していれば、法律に違反しない範囲において様々な手続や顧客からの相談に対する回答が任せられることは大きなメリットです。
有資格者というだけで武器になるだけでなく、即戦力としても期待されます。
世間からの行政書士の社会的評価はとても高い
行政書士の資格は、世間からの社会的評価はとても高いです。筆者もよく、「先生」と呼ばれますが、未だになれておらず、なんだか恥ずかしいです。
社会的評価が高い理由はよくわかりませんが、行政書士は国家資格であること、法律あるいは許認可申請の専門家として認知されているからだと実感しています。
また、ドラマの役やニュースなどで行政書士がコメントをするケースも見かけるようになったことで、世間的な評価はさらに高くなっています。
行政書士で身につけられる知識は生きていく上で非常に使える
行政書士試験の勉強や、資格を取得することで身につけられる知識は、一見すれば、私達の日常生活と何の関わりもないようにも思えますが、そうではありません。
例えば、合格する上で苦手科目としてはいけない民法などは、私達の日常生活と非常に密接しているといえます。離婚や相続などの問題は、自分あるいは自分の周りの人物で、一度は遭遇するのではないでしょうか。
あらかじめこれらの法律の精度や仕組みを理解していれば、トラブル解決に一役買うばかりではなく、トラブルを回避も可能です。
民法だけでなく、その他の法律や手続きなども同じです。
今は使わないと思っている知識も、何ヶ月後何年後かに急に必要になることも十分にありえます。
本格的に行政書士として活動していく予定がない場合でも、法律や手続きの仕組みを知っているだけでも、「いざ!」というときに役にたつことが、今後の人生においてきっとあるでしょう。
トラブルが置きてからあたふたするのではなく、余裕があるうちに、知識を身に着けておくというのは大変有意義なことと思います。まさしく備えあれば憂いなしです。
行政書士は食えない・食べていけない資格と言われる真相
筆者が行政書士の試験に合格したとき、
- 行政書士って食っていけるの?
とよく聞かれました。
インターネットで検索してみても、行政書士という資格の将来性に不安をもっている方も多いようです。
確かに、行政書士の資格を取っても成功できる保証はありません。せっかく苦労して合格したのに、わずか数年で廃業する、あるいは登録を抹消する行政書士も一定数存在することは事実です。
ある程度利用者数の多い駅前でコンビニをオープンすれば、特殊な宣伝などしなくても一定数の顧客は入ってきますが、行政書士ともなるとそうではありません。宣伝など色々と工夫する必要はあります。
成功している行政書士の多くは、
- 顧客獲得のための工夫
- 得意分野の開拓
の研究・調査を欠かさず行っています。
わずか数年で廃業する行政書士の多くは、自分から何らアクションをしないで、ひたすら「待ち」の姿勢を取っているだけで、顧客を獲得できなかっただけのことなのです。
顧客獲得のための工夫
では、どうやったら顧客獲得ができるのでしょうか。ホームページを作る?チラシを作る?
方法は無限にあり、どれが正解で、どれが間違いかはわかりません。
結論としては、いろんなことをあれこれと試すより、まずは、行政書士として果たしてどれほどの年収を目指しているか?を最初に検討すべきです。
そして、目標とする年収を達成するには宣伝に時間や費用をどれほどかけるべきか、マーケティングの本や講座なども参考にしながら、宣伝方法も含めて検討すべきでしょう。
例えば、「行政書士で食べようと思っていない。」という方針をお持ちの方は、宣伝費に多大な費用をかけるのは無駄でしょう。
場合によっては、今は簡単なホームページでしたら、自分でも作れる時代ですから、広告宣伝費は年に数百~数万円で事足りるかもしれません。
逆に、「行政書士で一旗揚げよう」と考えている人は色々と広告宣伝に工夫をしなければなりません。
法律素人の方が、行政書士や弁護士に法律問題を相談するのと同じ様に、宣伝のプロに宣伝方法を任せた方が手っ取り早いかもしれません。
当たり前のことですが、行政書士に限らず、顧客がいなければ利益は発生しません。
顧客獲得のためには、友人や同僚といったこれまでの人脈を利用することももちろん必要ですが、それよりも「いかに宣伝を工夫して行うべきか?」をきちんと研究を怠らないかがカギといえるでしょう。
他の行政書士とどのように差別化していくかが重要
いかに行政書士として成功するか、大事なのは、
- ある分野のエキスパートを目指すか?
- 様々な分野を行えるようにすべきか?
のどちらに重点を置くべきかを明確に意識することです。
ある分野のエキスパートを目指す
法律や行政手続きにおいては、予測不可能なトラブルが生じることも度々あります。
ただし自分が様々な経験値を積めば、予測不可能なトラブルを回避あるいは解決することは可能です。
行政書士が携わる許認可の書類は1万を超えるとも言われています。1万を超える書類全てを完全に使いこなせるのは不可能ですから、場合によっては同業者からの依頼もあることもありえます。
そのため、ある分野のエキスパートになるには長い時間がかかります。
1、2冊の本を読んだだけではエキスパートにはなれません。経験値も必要です。
試験勉強と同じ様に、知識を覚えるだけではなく、覚えた知識を実践で使いこなせるレベルまで達するスキルの蓄積が重要です。
様々な分野を行えるようにする
繰り返しですが、行政書士が携わる許認可の書類は1万を超えると言われています。
ある分野に特定するのではなく、複数の分野を取り扱っていた方が、それだけ顧客獲得のチャンスも増えます。
ただし、ある分野に特化している場合に比べ、知識を勉強するあるいは経験値を積むことは時間の制約上、限りがあります。
従って、予測不可能なトラブルに生じた場合、自分だけでは解決できない可能性が高くなることにもつながります。
どちらを目指すかはあなたの考え方次第
ある分野に特化した行政書士を目指すのか、あるいは様々な分野を取り扱える行政書士を目指すかについては、どちらかが正解で、どちらかが間違いという答えはありません。
行政書士に登録して、実務に必要な知識を覚えていく中で決めていければ問題ありません。
他の行政書士と差別化するもう一つのポイント
行政書士として魅力的に感じてもらい顧客を獲得していくかについては、
- いかに他の行政書士と差別化するか
も意識しましょう。
日本全国には4万を超える行政書士がいます。いわば、あなたのライバルです。
これら4万のライバルと差別化するポイントは、
- 行政書士+α
です。
例えば、インターネットに関する知識が豊富な方は、「書き込み等の問題に強い行政書士」として、付加価値を加えることも可能です。
また、プログラミングなどの知識を有していれば、行政書士が使用するソフトなどの開発や助言にも携わることが可能になり、それだけ、顧客獲得のチャンスも広がります。
ある特定分野の特化したナンバーワンの行政書士を目指すのも間違いではありませんが、他の行政書士にはない自分だけの強み、つまりオンリーワンの行政書士を目指すのも、顧客獲得にとして重要なポイントです。
まとめ
行政書士は
- 就職や転職時、実生活にも役立つ
- 世間からの社会的な評価も高い
- 独立・開業し、工夫を重ねることにより、十分に成功できる
が可能な取得する意義が大きい資格です。
決して意味のない・無駄な資格などではありません。
今は行政書士としてのその後についてあれこと不安に感じるより、なんとしてでも行政書士に合格するんだ!という強い意気込みをもって勉強に励んで下さい。
何度も申し上げたとおり、行政書士としてどのようにして成功すべきかの方法・可能性は無限大なのですから。