行政書士の勉強って、どういう学習・勉強スケジュールで進めていけばよいのか正解なのか。
行政書士試験は合格率10%前後の難解な国家試験です。
学生の中間・期末の試験勉強のように、一夜漬けでどうにかなるものではありません。かといってやみくもに勉強すればいいかというとそうでもありません。
短期間かつ効率的に合格を勝ち取るには、テキスト選びも重要ですが、それと合わせて、特に重要なのは、勉強を開始する前にどのような学習・勉強スケジュールなのかを知っておくことです。
その方法は、
- スケジュールを、月・週・日別に管理する
- 出題数の多い科目(民法・行政法)を優先的に勉強する
の2つです。
そこで、間違いなく効率的な試験勉強が可能となる学習・勉強スケジュールの具体的内容をご紹介していきます。
本記事をお読みいただき、最短合格への道を切り開きましょう。
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目次
行政書士の試験合格までに必要な学習時間(勉強時間)
行政書士の試験合格までに必要な学習時間(勉強時間)は、個人差はありますが、法律を全く勉強したことのない初心者の方で、800時間前後と言われます。
行政書士試験は、例年、毎年11月の第2日曜日に行われます。
まずは、この800時間を目安に、日々の生活のうち、1ヶ月・1週間・1日あたりどれだけ勉強に確保すべきか、逆算してみましょう。
勉強開始時期によって、あなたの確保すべき勉強時間が異なることに注意が必要です。
繰り返しになりますが、行政書士試験は、合格率10%前後の難解な国家試験です。
自分の勉強時間が確保しただけで、やみくもに勉強したところで合格は難しいのが実情です。
それでは、どのような学習(勉強)が必要なのか次でご紹介していきます。
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行政書士の合格を掴むための学習(勉強)の具体的な手順は3つ
行政書士の試験に最短で合格をするには、
- 過去問で基礎を固めて合格点をとる学習
- 模試で実践演習
- 記述問題の対策を行う
の3つの学習(勉強)手順が必要です。
いかに基本を固めるかが合否に大きく左右します。
過去問で基礎を固めて合格必要点をとる学習
行政書士試験の合格ラインは6割~7割前後とされており、満点を目指さす必要がない試験です。
この合格ライン突破に求められるのは、基礎的な事項をしっかり理解すること。
ただこれだけです。
満点を目指そうと学習してしまうと、無駄に使えない知識が増え、基礎が疎かになってしまいます。
さらに、あれこれ詰め込んでも、試験当日の極度に緊張した状態で、あやふやな知識は使いものになりません。
従って、
過去問を最大限活用し、基本事項の徹底理解に時間を割いて学習してください。
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なお、基本事項の徹底理解できている目安として、
- お酒に酔っていても答えられる
- 起きた直後でも答えられる
を基準に筆者はしていました。
模擬試験で確かなアウトプット力を定着
模試は蓄えた知識のアウトプットに最適なアイテムです。
また、本番の限られた時間をどのように使うかといった時間の調整や、どの科目から解くかシミュレーション効果もあります。
ただし、模擬試験に取り組むのは、基本事項の学習が一通り終わった、試験数か月前頃の直前期です。
基本事項が身についていないうちに、模擬試験を行っては、点数も悪い点数ですし、自信をなくすだけです。
直前期までは、過去問でひたすら基金事項の徹底理解に努めましょう。
記述式の対策を行う
行政書士試験は、択一式だけではなく、記述式問題も出されます。
初心者は、特に時間がないため、記述式の学習を疎かにしがちです。
しかし、記述式の配点は法律系科目の4割も占めるため、記述問題を苦手とすることは致命的です。
試験の合格ラインは6~7割前後なので、記述式問題が0点だった場合、あとの択一式問題はほぼ満点でなければ合格点に達することはできません。
記述式と聞くと一見難しそうですが、1問あたり40文字前後で答えればよく、基本的な知識が定着していればそれを応用して解ける問題ばかりです。
また、キーワードさえかければ部分点を貰える可能性もありますので、記述式の問題集を活用して慣れていくことが必要です。
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行政書士では出題数の多い科目から優先的に勉強すべき
行政試験の試験勉強をしていく上で、
- 出題数の多い科目優先的
勉強しましょう。
具体的には、最も配点が高い科目である民法と行政法から始めるべきです。
なぜなら、2科目を苦手分野にすると、合格ラインの6割はおろか、半分以下の可能性が高くなるからです。
テキストによっては、憲法や基礎法学が最初に掲載されているテキストもあり、テキスト順に勉強したい気も分かりますが、出題数の多い科目を優先的に勉強すべきです。
行政書士試験の勉強のスタートは民法からにすべき
行政書士試験の勉強をスタートさせるべき科目は
- 民法
です。
試験名が「行政」と名前がつくので、行政法から勉強を行いたい気もしますし、実際にそのように推薦する方もいます。
しかし、
- 民法は私たちの生活に身近な法律である
- 記述問題が行政法が1問出題されるのに対して、2問出題される
ため、民法から学習すべきです。
民法は私たちの生活に身近な法律に関する補足
初心者の方にとっては、難解な法律用語を理解する上で大事なのは、小学生の頃の漢字の練習のようにひたすら呪文のように覚えるのでなく、具体例を通じてイメージすることです。
私達の身近な法律ということは、私たちの間近で起こっている出来事を具体例とすることが出来ます。
例えば、相続に関する知識で、「誰が相続人となるか?」という理解については、自分の家族や親戚にあてはめて理解するのがいいでしょう。
下記記事の「行政書士の試験勉強過程で得られる3つの財産」で具体例を記載していますので、イメージを膨らませる材料としてご活用ください。
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行政書士試験で勉強すべき科目の順番
行政書士試験で勉強すべき科目の順番は
民法→行政法→憲法→一般知識(個人情報、文章理解)→会社法→基礎法学
です。
法令科目のうち6割前後も出題される民法と行政法が一番大事
民法と行政法は例年、法令科目のうち6割前後出題されます。
この6割は、本試験合格のための平均ライン6割とほぼ同じです。
つまり、記述も出題される民法と行政法さえ、一定程度の水準まで持っていけば、なんとか法令科目を合格ラインに達することが可能になります。
といっても、相手は国家試験。
民法も行政法も1問も間違わないことはできません。
だから次に勉強すべきは出題数の多い憲法
だからこそ、次に出題数の多い憲法を勉強すべきです。
憲法は、多肢選択式も出題される傾向にあるので、記述式同様に部分点を取れる可能性があるため、1点でも2点でも点数の上乗せを行いたい場合はピッタリの科目です。
対策しやすい一般常識科目を先に勉強
憲法の次は、会社法や基礎法学をすすめする方多いです。
しかし、本試験合格のためには、法令科目だけではなく、一般知識の分野も最低40%(14問中6問前後)が必要です。
つまり、法令科目が満点近かったとしても、一般知識の正解が40%未満の場合は一発でアウトになります。
民法+行政法、それに憲法さえ理解してしまえば、法令科目は十分に合格ラインに達することができます。
なかでも、それなりに対策のしやすい文章理解と個人情報保護の分野を中心に勉強すべきとだ思います。
最後に会社法と基礎法学
最後に会社法・基礎法学です。
この2科目については、テキストに沿ってある基礎事項を中心にあまり手を広げず、時間をかけずに勉強すべき科目となります。
むしろこの2科目に時間をかけるよりかは、民法・行政法の苦手分野をつぶすことに時間を割くべきです。
行政書士試験で知っておくべき勉強スケジュールの立て方は3つ
行政書士の試験で知っておくべき勉強スケジュールの立て方は、
- 月別
- 週別
- 日別
の3つです。
それぞれにおいて、どのような考え方で勉強スケジュールを立てればよいのかお伝えしていきます。
月別の勉強スケジュール
インプット期(12月~翌5月)
インプット期における学習としては、無駄に手を広げるより、テキストの赤ラインで書いてるところなど、各科目の基本事項の徹底理解に努めて下さい。
具体的にはテキストを中心に、テキストで基礎事項の把握及び理解→(テキストに掲載されてある)一問一答などで実際に理解しているかの確認を何度もぐるぐる繰り返すことです。
問題集は、一問一答タイプを選択しましょう。
五肢択一式の問題集だと、行政書士試験レベルでは覚えなくていい無駄な知識の選択肢が存在します。
また、アウトプット時期での問題演習時に利用する教材がなくなってしまいます。
アウトプット期(6~9月)
アウトプット期における学習目的は
- 過去問を使用して実力向上
- 知識をさらに定着させていく
です。
過去問を何度も解いていくに併せて、初見問題にも対応力するために予想問題集を買ったり模擬試験も受けることで、実力を養成していきましょう。
アウトプット時期で忘れてはいけないのは、ひたすら問題を解くのではなく、
- 問題を早く正確に解く力をつける
- 苦手科目や苦手分野などの発見
のを意識することです。
模試試験や予想問題集を使っている方は、この時期は何点とれたかを問題にしなくてOKです。
本試験で余裕を持つためにも、問題で「何がキーワードとして問われているか?」といった論点を掴むクセをつけ、その掴んだ論点の中から、自分の覚えている知識を出来るだけ思い出す、といった作業を意識しましょう。
苦手科目や分野の弱点克服
今まで覚えた知識を使って実力を養成するのと同時に、苦手科目や苦手分野の把握をし、弱点克服にも力を入れることが得点アップにもつながります。
苦手分野を克服するには、
- 問題を解く→間違えた箇所や自信なかった箇所を重点的に学習する
です。
何度も間違えている分野の問題に対しては、知識が曖昧な可能性が高いです。
該当分野については、一度理解したから終わりではなく、定期的に何度も繰り返し学習しましょう。
試験直前期(10月)
この時期は直前期と呼ばれる時期で、最終確認を行う時期です。
行政書士試験は基本事項が出題される傾向にあります。
ですので、応用知識の習得よりも模擬試験で間違えた箇所の再確認や、各科目の基本事項、頻出論点の再確認に時間を割くべきです。
また本試験は日中に行われますから、日々の体調にも、気を使うように心がけましょう。
週別の試験勉強スケジュール
ここまでは、年単位での勉強の流れについて見ていきました。では次に週別の勉強スケジュールについて見ていきます。
平日
平日は社会人の方であれば、時間が限られていますが、帰宅後はもちろん、出社・帰社途中の移動時間や待ち時間などのスキマ時間をうまく活用しましょう。
人間が1回あたりに集中できる時間は30分前後であるため、スキマ時間をうまく活用できると効果を最大限得られます。
たった1回30分の学習でも、それが積み重なることによって、あなたの大幅な実力アップになります。
繰り返しになりますが、行政書士試験は合格率10%前後の難解な試験です。少しでも多くのスキマ時間をうまく作り出すように心がけて下さい。
休日
休日は土日休みの方であれば、多くの時間勉強が確保できる絶好の機会であるため、どちらかをオフにしたい気持ちもあると思いますが、2日間とも勉強時間を作りましょう。
やるべきことは、
- その週でやった科目の復習(科学的にも、その日にやったことの復習・次の日に前日にやったことの復習・1週間前にやったことの復習、と徐々に期間を空けて復習を行えば記憶が定着すると言われています)
- 苦手分野のテキストの読み込み
です。
もし仕事の都合で、スケジュールに遅れが発生した場合は、できるだけその週の休日を調整して遅れを取り戻して下さい。
日別の試験勉強スケジュール
最後に1日のスケジュール例を見ていきましょう。
朝
一番重要なのは朝です。
朝はまだ頭も体も一番新鮮でリフレッシュされており、一番頭に入る時間帯と言われています。
皆さんも、仕事は午後より午前中の方がはかどりませんか?
少し早起きしたり、通勤時間を利用して、インプット時期は新たな知識習得、アウトプット時期は過去問演習の時間にあてましょう。
昼
お昼の時間はお昼休みを利用して、朝にやったことの復習や前日にやったことの復習にあてましょう。
午前中にテキストの読み込みをやった人は、その分野の問題を解く、過去問ならば間違えた個所のテキストを読み込むことで知識の定着を図るべきです。
夜
平日は帰宅時間及び、帰社後から就寝までを有効に使いましょう。
コマ切れを有効に使う、がっつり時間を確保して集中的に勉強するのどちらでも構いません。
重要なのは、毎日継続してその日にやった総復習に加え、前日にやった復習を必ず行うことです。
その日にやったことの復習・次の日に前日にやったことの復習・1週間前にやったことの復習、と徐々に期間を空けて復習を行えば記憶が定着すると言われています。
昼間より、寝る直前に暗記したもののほうが記憶に定着しやすいです。
まとめ
行政書士試験に合格するには、やみくもに勉強するのではなく、学習・勉強スケジュールを立てることが大切です。
中でも、
- 試験配点が多い科目を優先的に行い、基礎事項の徹底に努める
- スケジュールを、月・週・日別に管理する
が大事です。
たとえ一日わずかでもいいので、学習の習慣化を作り、その積み重ねが合格への一番の近道になります。